横に広い階段は縦にも結構な距離があり、もうちょっとで目的地へ着く!って頃には息切れがひどい。



なのに、一番歳をとってるはずの長老(失礼?)は、全く疲れたそぶりを見せていない。


何故?と思い足元を見ると、う、浮いてる…

足を隠すほど長いドレスの裾が地面に着いていない…そして大きな羽が細かく動いてる…?



そ…そうか!
羽で浮いてるのか!!
く〜…ずるいぞ長老!!



なんて考えていると、意外とあっという間に目的地へ着いたらしい。



「着きました。正面を見て下さい」



「――!なにこれ!?」

「妖精が…クリスタルに…!?」

「あれは…!番人、か…?」

「そうかもな…持ってるのは…時の宝玉か?」

「おわあああ!!あの人生きてる!?生きてんの!?」



全員ほぼ同時に反応した。



「生きていますよ。…ほぼ昏睡状態ですが」



私達の視線の先には、神秘的に輝くクリスタルの様なものと、その中に美しい妖精がいた。