少し憂鬱になりながら、うなだれている間にも船は動き続け、湖の岸に着いた。



「よし、皆、着いたぞ」



アイクがレバーをガチャリと下ろすと、船は動きを止め停止した。



「すっげ、雪景色!!俺、先に外行っちゃうかんな〜!!」



カズキは外が寒いにも関わらず、いつも通りのテンションで操舵室から飛び出していく。



「あいつ、いつでも元気だよなあ」



ロイドは少し羨ましそうに言う。


「まぁ、それがカズキの取り柄だもんね」



「確かにな。セナ、お前寒いの平気か?」



「実は苦手…」



「じゃあ、これ食っとけ」



ロイドはズボンのポケットを漁ると、小さい布袋を取り出し、中からビー玉サイズの赤い宝石の様な物を出した。