そんな私たちの不安を余所に、船はガラスの壁に波紋を広げながら外へ飛び立った。
「うおおおお!!すっげえ、飛んでる!!すげえ、すげえ〜!!」
「うわあっ……!!」
甲板に出てはしゃぐカズキの隣で、私もあまりのファンタジックさに見とれてしまった。
だってさ?
飛行機じゃないんだよ!?
上空の風を生で浴びてるんだよ!?(ちょっと寒いけど…)
雲の中通ってるし!!
それより何より、色んな光が混ざり合って、雲の中が七色に輝いてて超綺麗!
残念ながら、下は見えないけど…。
「すげえだろ?俺は、空よりも海の方が好きだけどな」
甲板に出て来たロイドが、私の隣に来て言った。
「えぇ?そう?空の方がいいと思うけどな〜」
「お前、海の素晴らしさを知らねぇだろ。きれ〜〜〜だぞ?見たら言葉失うぜ」
前、魔物にさらわれて空を飛んだときは、海を見てる余裕なかったしなぁ。
「見てみたいなあ〜…。今度、見せてよ!」
「お前がいい子にしてたらな」
「私はいつでもいい子でしょ!子供扱いして!」
「ははは!」


