封筒に手を伸ばそうか悩んでいると、セナが近付いて声を掛けてきた。
「ロイド、私寝るね?」
「ん?ああ」
「それと……………悩んでるなら…いつでも相談とか、聞くからね…」
セナは俺の目を見て、遠慮がちに言う。
「…ありがとな」
「ううん。一人で溜め込まないでね。…それじゃ、おやすみ」
「おやすみ」
ゆっくりとベッドルームに向かう背中を見送る。
…ありがとな、セナ。
本当に俺を心配する気持ちが伝わってきた。
ていうか、大体相手の感情や気持ちはいきなり俺の心ん中に沸いて来るモンで、俺は色みたいな…よくわかんねぇけど、そーいうやつで判断してる。
今のセナから入ってきた感情は、色濃い水色。
俺が昔からの経験で判別するには、心配の色。
要するに濃ければ濃いほど、その感情は強いってこと。
情けねーな、俺…。
あんなに心配かけてるなんて…
早く種明かして、うだうだした状況から抜け出さねぇと、セナにも悪い。
俺は封筒に手を伸ばした。


