幸い、 ロッカー室には 先輩しかいなかった。 「ちゃんと見てたか?俺のスパイク」 「み、みてたよ!」 わざと元気に振舞ってるの? そんな先輩を見ると 抱きしめたくなるよ。 「ごめんな、勝てなくて。」 「そんなのいいよ!」 あたしは怒鳴り散らすように ベンチに座っている先輩に抱きついた。