「姉ちゃん、その子襲うなよ?」
キヨが、美月さんに言う。美月さんは、いたって真面目な顔で答えた。
「馬鹿な事言ってんじゃないよ、襲うなんて野暮なこたァしないさ。あたしゃ、ちゃんとアタックして、ちゃんと段階を踏んだ上で──……」
「うん、まあ、姉ちゃんの恋愛に口出しはしねーけど、とりあえず……頑張れ」
キヨに止められて、美月さんは怪訝な顔をする。しかし、すぐにニカッと笑って、
「おうよ! んじゃ、行ってくるわ。ベンキョ、ちゃんとやっとくんだよ!」
と、家を飛び出す勢いで、駆け出して行った。
「……美月さんは相変わらず、元気ハツラツだね、ミツ」
「うん、そんで、相変わらず女好きだね。お変わりないようで、よかったよ」
「まあ、その、あんま引かないでやってくれ。姉さん、あれでも結構真面目だから」
「姉ちゃん……いつか彼女とか連れて来そうだ」
残された私達四人は、少しボーゼンとした後、誰からともなく、リビングに向かった。
ふわり、と、親しみのある遠藤家の香りが、鼻に入ってくる。
先頭にいるキヨ兄が、リビングの扉を開けた。
そこには、キヨ、キヨ兄の産みの親、浅海さんの姿があった。
浅海さんは、あくまで、キヨとキヨ兄の産みの親で。……美月さんは、浅海さんの本当の子供ではない。
美月さんの産みの親の小春さんは、キヨ達が生まれる前に、出て行ってしまったらしい。
しかし、美月さんと浅海さんの仲は、本当の親子のように良い。むしろ、反抗期真っ只中のキヨ達よりも、仲が良いと思う。
だから、美月さんとキヨ達は、いわゆる「腹違い」だ。
でも、さっきの様子から分かるように、血が半分しか繋がってなくても、ちゃんと姉弟。本当に、仲が良い。
「尚夏ちゃん、蜜香ちゃん、いらっしゃい」
やんわりと微笑む浅海さんに、私達もお辞儀をして、「お邪魔してます」と一言。
遠藤家のリビングは、とても懐かしい。昔、よくここで、キヨと私ケンカしてたよなー。
懐かしみながら、リビングの机を見て、気付く。
キヨが、美月さんに言う。美月さんは、いたって真面目な顔で答えた。
「馬鹿な事言ってんじゃないよ、襲うなんて野暮なこたァしないさ。あたしゃ、ちゃんとアタックして、ちゃんと段階を踏んだ上で──……」
「うん、まあ、姉ちゃんの恋愛に口出しはしねーけど、とりあえず……頑張れ」
キヨに止められて、美月さんは怪訝な顔をする。しかし、すぐにニカッと笑って、
「おうよ! んじゃ、行ってくるわ。ベンキョ、ちゃんとやっとくんだよ!」
と、家を飛び出す勢いで、駆け出して行った。
「……美月さんは相変わらず、元気ハツラツだね、ミツ」
「うん、そんで、相変わらず女好きだね。お変わりないようで、よかったよ」
「まあ、その、あんま引かないでやってくれ。姉さん、あれでも結構真面目だから」
「姉ちゃん……いつか彼女とか連れて来そうだ」
残された私達四人は、少しボーゼンとした後、誰からともなく、リビングに向かった。
ふわり、と、親しみのある遠藤家の香りが、鼻に入ってくる。
先頭にいるキヨ兄が、リビングの扉を開けた。
そこには、キヨ、キヨ兄の産みの親、浅海さんの姿があった。
浅海さんは、あくまで、キヨとキヨ兄の産みの親で。……美月さんは、浅海さんの本当の子供ではない。
美月さんの産みの親の小春さんは、キヨ達が生まれる前に、出て行ってしまったらしい。
しかし、美月さんと浅海さんの仲は、本当の親子のように良い。むしろ、反抗期真っ只中のキヨ達よりも、仲が良いと思う。
だから、美月さんとキヨ達は、いわゆる「腹違い」だ。
でも、さっきの様子から分かるように、血が半分しか繋がってなくても、ちゃんと姉弟。本当に、仲が良い。
「尚夏ちゃん、蜜香ちゃん、いらっしゃい」
やんわりと微笑む浅海さんに、私達もお辞儀をして、「お邪魔してます」と一言。
遠藤家のリビングは、とても懐かしい。昔、よくここで、キヨと私ケンカしてたよなー。
懐かしみながら、リビングの机を見て、気付く。
