白のノースリーブに、一般的なジーパン。格好こそ地味めだが、メリハリのある体なので、何故か派手に見えて。そして、そんな体系なのに、細い、すらりとした手足が妖艶さを増さす。

この女性は、遠藤家長女の、遠藤美月(エンドウミヅキ)である。

少し美月さんに見とれた後、ハッと気がついて、「お邪魔してます」と挨拶。美月さんは、にっこり笑ってくれた。
そして、今度はキヨとキヨ兄に向き直る。

「ほらほら! 邪魔だっつってんだろ、退きな!」

相変わらず、女と男への態度が違う、美月さん……。
しっし、と美月さんに追い払われた二人。キヨが舌打ちをして、美月さんに睨まれていた。

「姉さん、今日も仕事?」

キヨ兄の問いに、ルンルンと弾んだ言葉が返ってきた。

「おうよ。今日は、期待の新人紗代ちゃんと、今をトキメクMONA☆ちゃんが来るから、もうテンション上がりまくりさ!」

言葉通り、美月さんは、とても楽しそうだ。尚夏が、「MONA☆ちゃんに会えるなんて……! 私もカメラマンやろうかな」なんてブツブツ言っている。
美月さんは、私達の七つ上。すでに成人していて、とある雑誌社のカメラマンを勤めている。この人が「撮られる」側ではなく、「撮る」側なのが、少し残念というか……!

キヨ兄の話では、会社側も、「できればモデルをして欲しい」と懇願したらしい。美月さんは、「嫌です」と、全力で断ったそうだが。
もし美月さんがモデルになっていたら、物凄く人気になっていただろう。そう思うと、少し残念だ。

「特に、紗代ちゃんは、アタシに物凄くなついてくれててねぇ! 「美月さん美月さん」って、ほんっとうに可愛いんだよ! 妹にしたいくらいさ」

まるで、彼女を自慢するかのような美月さん。キヨが嘆息した。