「あの男の子は宏稀だったの?」 あたしは勇斗に尋ねた。 「そうだよ。」 勇斗はそう言った。 「俺、その事件があってから ずっとひーくんと 一緒にいたんだ。 俺、自分責めたんだ。 あの日、公園に行こうって 言い出したの、俺だったから。 俺が言い出さなければひーくんは あんな目にあわずにすんだのにって。 多分、ひーくんも分かってんだよな。 俺が自分を責めてるってこと。 だからひーくんも俺の側から いつでも離れなかった。 優しいんだよ、ひーくんは。」 勇斗は笑顔でそう言った。