その日の午後――。
仕事が一段落し、外をぼんやりと
見ていたときのこと。
いかにも『わたし、怪しいです!』
という感じの格好で、外から銀行を
覗き見している、どう見ても怪しい
女性が目に入った。
まさか銀行強盗でも
するつもりなんだろうか。
こんな白昼堂々、あんな女性が。
上司が近くにいたので、
報告しようかと思ったけれど
きっとドラマや映画の見すぎだ、とか
言われそうだったのでやめた。
時計を確認すると、もうすぐ
窓口の営業時間は終了する。
ドラマや映画では、確かこの時間が
狙われやすかったような…。
終了するギリギリまで、
その女性を見張りながら仕事をした。
そして、普段はやらない
窓口用の出入り口の鍵を
自分から閉めに行くと志願し、
女性に近づいてみる。
彼女は、近くで見ると
かなり若い感じがした。
同じ歳くらいだろうか。
心臓がバクバクいうのを無視して
自分から女性に声をかけてみる。

