「はい!…それで、あの…
かなり図々しいんですけど…」
また、小泉さんに付いて来て欲しい…。
見え見えな下心。
きっと先輩は分かっているだろう。
だけど何も言わずにいてくれているのは
私に気を使っているためだ。
私はきっと、小泉さんに拒絶されたら
生きるのが辛くなるほどダメージを受ける。
それぐらい、彼は私の中で
大きな存在になりつつある。
「大丈夫、次も一緒に行こう。
次はこの辺りの美味しい
レストランとか探しておこうか!」
その笑顔に癒され。
珈琲を飲み終えてから別れた。
でもまさか、今日のこの出来事が
小泉さん夫婦の絆にヒビを
入れてしまうことになるなんて――。
私はまだ、知らなかった。

