「うわぁ、綺麗な旅館!
やっぱり新幹線やめて
旅館グレードアップさせて
よかったわね!」
確かに、すごくゆっくり出来そうだ。
実は新幹線代を浮かせても
赤字になっているのだが…。
まぁ、これは俺のヘソクリから
ユマへのプレゼントってことで。
「いらっしゃいませぇ!
ご予約の小泉様でいらっしゃいますか?」
中から出てきたのは、
結構美人の若おかみさんだった。
途端、ユマがツンツンし始めて
俺は若おかみさんにぺこぺこしながら
ユマの後を追いかけて部屋に案内された。
「こちらがご予約の
『松の間』でございます~!
こちらは夜景が大変綺麗なんですよ」
「へぇ~!
あ、ここからだと○○とか見えます?」
「あ~、○○は天気のいい日にうっすらとなら
見えるかもしれませんね。
今日みたいな少し雲がかかった日には
△△の方がお勧めです」
「え?!ここ、△△見えるんですか?
意外だな~」
「こちらに宿泊される方のほとんどが
そうおっしゃるんですが、
実は綺麗に見えるんですよ~。
それが狙いでこちらのお部屋を
取られる方もいらっしゃるくらいで」
ふむふむ。
へ~!
なるほど…
と、若おかみとキャッキャと
会話していた俺。
ユマは一人で荷物の整理とか始めて
若おかみが「それではごゆっくり」を
告げて立ち去ろうとする頃には
だいぶ眉間のしわが濃くなっていた。

