家に帰ると、泥酔した父親が だみ声で叫び、母親が怯えながら 夕ご飯の支度をしていた。 「あ、レイちゃん…おかえりなさい。 今日お父さん、機嫌悪いから あんまり逆らわないでね…」 殴られたのか、口の端が切れている。 また、か。 呆れのような、憐れのような そんな息を吐いた。 父親は元銀行マン。 でも、金融不況の大幅リストラの波が 勤めの銀行でおこって 人事部にいた父親は自主退職をした。 以降、何の仕事にも就かず 家で酒ばっかり飲んでいる。 「はい…」 母親はホッとした顔を見せる。