「こいつら、絶対お兄ちゃんがいなくなるのを待ってたのよ…

先輩は頼りなさそうに見えるし、私も…」

「こんなとこで体力消費したくないのに…

逃げれると思う?」

僕はあえて理沙ちゃんの話を遮り、城の扉を見た。

扉までは約100m、でも、僕の10m先には二人がいる…


水城と奏ちゃんは、一度城内に入ったからクリアするまで出てこれないし、やっぱりあの二人を倒すしかないのかな…?

でも、あの二人を倒せば、あの二人の大切なものが失われる。

どんな人でも大切なものが失われるのは身を斬られる思いだ…

でも……



「早く出せってんだろ!!

なめてんじゃねぇぞ!!」

鼻ピアスが理沙ちゃんに近づき、腕を掴んだ。GGMを操作する気だ!


僕は血濡れの刀を抜き、鼻ピアスに刄を向けた。

刹那…


ギャーという声が、僕の鼓膜を叩いた。

叫び魔の能力だ。僕らは思わず耳を塞ぎ、その場にしゃがみこんだ。

勝てるわけが無い!

防ぎようが無いんだ!!

このままじゃ…

僕の頭にGAMEOVERの文字が浮かび、思わず身震いする。


それだけはなんとしてでも防がないと…


僕は叫びが止まったのを見計らって、血濡れの刀で、鼻ピアスを斬り付けた。