僕の目の前には、ぼろぼろの店があった。

この世界に来て、最初に行った店。

ここで、このローブを買ったし、菊一文字を貰ったんだよね。

まさか、また来るとは思わなかったよ。

僕は、ゆっくりと店に入った。


店内には相変わらず武器が飾られていて、隅には、かつて大地君が居眠りをした椅子が置いてあった。

変わってない…


理沙ちゃんは何が言いたかったんだろ…

誰もいない店内を僕は歩いた。

いつも、この扉から店長は出てきていたよね。

僕は右手で扉に触れた。

扉は触れただけでパッと開き、まるで僕を誘うかのように道を開いた。


来いってわけか…

僕は菊一文字を抜き、扉の向こうに歩きだした。


風の探知能力によれば、部屋があるはず…

武器庫ってわけでもなさそうだ。


暗い道を進んでいくと、小さな点が見えてきた。

出口だ…

好奇心からか、僕の心臓が激しく動き始める。

出口までまだまだあるのに、気になって仕方ない。

早く行こう…

「疾風!」


刹那、僕は明るい照明の真下にいた。