「わしが灯を灯そう。
狐火!」
僕の正面辺りからボォゥと小さな火が現われた。
火はいくつにも分裂し、そのうちの一つが僕の方に近づいてきた。
火は僕の頭上に浮かび、僕を照らした。
他の火の玉もあちこちに飛んでいき、その場にいる人を照らす。
そこで、誰がいるかわかった。
岩谷さんに直之君、廣瀬副隊長に水城、それと…
天空寺さんだ………
「なんであなたが…
僕はあなたが敵だと…」
僕は天空寺さんから離れた。
「そう警戒するな。
俺がみんなを集めたんだ。
まぁ廣瀬は違うがな…
とにかく今は、先に進もうぜ!」
天空寺さんは黒ぶち眼鏡を押し上げ、ある方向に歩いていった。
全員の眼がそっちに傾き、水城が歩いていく。
それにより、二人分の照明がそこに何があるかを知らした。
「扉か…
よくこの場所がわかったな?
おまえはスパイじゃねぇのか?」
そう、そこには扉があったんだ。
水城は天空寺さんの襟首を掴み、怒鳴った。

