《みぃつけたぁ!


今度は逃がさないよ!》


僕の背後から、子供の姿をした鬼が現われた。

ここにきて見つかるなんて…


僕はどれだけ運が悪いんだよ…



戦うか、全力で走るか…

どうしよう…

エレベーターまではあと10メートル強。

鬼まではせいぜい5メートル程。


疾風を使えば行ける気もする。

やってみようかな…



「悪いけど、僕はこんなとこで負けるわけにはいかないんだ!


この鬼ごっこ、勝たせてもらうよ!

疾風!!」

僕の周りにいつものように風が纏わりつく。

いや、僕自身が風になったって言えばいいのかな?

いつものように視界が流れ、見る見るうちにエレベーターが近づいてくる。


僕は疾風を解除し、エレベーター脇のボタンを押した。

壁にぶつかりそうになるけど、なんとか踏み止まる。

早く開け!!

僕は背後を見た。

鬼はどんどん近づいてくる。

エレベーターの扉が開き、僕は流れるように中に入った。


早く閉まれ!!!


僕は壁に付いていたボタンの中から閉ボタンを捜し出し、連打した。