しかし、敵は何の罠も仕掛けていなく、意外と簡単にビル内に入り込めた。
「なんじゃ…
何かあるかと思ってたんじゃがな…
張り合いの無いやつじゃ…
問題は…
何でこげぇにエレベーターがあるかじゃな…」
岩本隊長が持っていた剣が消滅し、僕らは一番近いエレベーターに向かった。
そう、ビルの中には、5つのエレベーターがあるだけだったんだ。
「全員、わしから離れるな…
何が起こるかわからんけぇ…」
岩本隊長がエレベーターの横に付いているボタンを観察している。
「これ…
楠さんの名前が彫られてるっす…
それに、このボタン…
普通は上を示す記号っすけど、これは違うっす。
何も書いてないって…」
「なんで名前書いてんだ!!
個人情報の漏洩だろうが!
なめてんのかクソ管理人!!」
まだボタンを見ていた光輝さんが楠さんに突き飛ばされ、楠さんが扉に彫られている名前を見て激怒する。
「楠さんが毒舌女からクレーマーに退化したっすね…」
また味方からダメージを受けた光輝さんが僕に耳打ちしてくる。
僕は、そうですねと軽く笑い、ボタンを見つめた。

