確か、感情によって能力が変わるんだったよね…
今の僕の感情って何なんだろ…
僕は、ゆっくりと菊一文字を抜いた。
刀身は、くすんだ灰色。
正直、もっときれいなのかと思ってた。
刹那、僕の頭の中に声が響く。
《不安、その力は、全てを曇らせる。
まるで、霧のように全てを包みこむであろう。》
不安か…
確かにね…
僕はいつも不安だ。
今だって、精鋭部隊で大丈夫なのかとか、菊一文字を使いこなせるか、とか、不安で不安で仕方ない。
「何だこれ!!
メガ恐怖!」
直之君の声が聞こえ、僕は我に返った。
辺りには、白く厚い霧が立ちこめている。
目暗ましか…
でも、これって僕らも敵がどこにいるかわかんないし!!
そっか…
不安…
何も見えなくなるんだ…
正しいことも、自信も現実も、何も見えなくなる。
それでまた、辺りが見えないから不安になる。
負のスパイラルだ…
この不安を消さないかぎり、光は見えてこない。
でも…
不安を消すのは意外と簡単なんだ…
僕は、腕を前につきだした。
「突風!!!」
これは、僕の基礎魔法。
ΜΡも消費しない、この職業の基礎能力。
例えば、人間でいう声を出すみたいにね…

