名前こそ邪悪なこの刀でも、僕がずっと使ってきたんだ。
何度も助けられたし、もうだいぶ手に馴染んできた。
今になって、新しい刀を使う気にはなれない。
「岩本隊長は武器を持たなくていいんっすか?
マジシャンには見えないっすけど…」
光輝さんが、大剣の柄を撫でながら聞いた。
確かに、もう全員が武器を手にしているのに、岩本隊長は丸腰…
隠しているようにも見えないけど…
「すぐにわかるけぇ。
わしの能力がな?」
岩本隊長は、ニヤリと笑い、鎧の左腕に付けているGGMを操作し始めた。
「時間より前に攻めたらダメなのかよ!」
翼くんが待ちきれなくなったのか、口を開く。
「なんだてめぇ?
待てと言われてたのが聞こえなかったのか?!
てめえの耳は節穴か?!
ただの穴なら竹輪のほうがまだマシだ!
てめえの耳なんざ存在価値は竹輪以下なんだよ!!」
毒舌女…いや、楠さんが、手を巨大な爪に変えて戦闘態勢に入った。
「龍の爪か…
こりゃぁよくきれそうじゃのぅ…」
岩谷さんが、横目で爪を観察している。
見ただけでわかるんだからすごい…
それともスキルの能力かな?
僕は、ただ成り行きを見守った。

