僕らは、席を立ち、出口に張りつくように近づいた。
一刻も早くこの箱から逃げ出したい。
景色が街並から駅へと変わり、ホームに列を作る大勢の人がすごい早さで過ぎていく。
電車は明らかにスピードを落とし、ガタンゴトンも小さくなった。
しかし、そのせいで、パニック状態に陥っている人々の声が耳に届く。
無理もない。
目の前で人が射殺されたんだ。
一つの命が、まるで蝋燭の火が消えるように簡単にかき消されたんだから…
プシュー…
電車が静止し、ホームにいる人達が電車内の異変を感じたのか、逃げるように去っていく。
扉がゆっくりと開き、僕らは走りだした。
「警察はまだかぁ!!」
「ギャー!」
「助けてくれぇ!!!」
「早く逃げろぉ!!!」
「うわぁぁぁあぁ!!!」
僕らが走りだしたのとは逆方向から耳をつんざくような悲痛の叫びが聞こえてくる。
早く逃げろ!!!
パン!!
再び銃声が鳴り、僕の真横を銃弾が擦り抜けていく。
僕は背筋が凍るのを感じた。
今のは流れ弾なんかじゃない…
間違いなく狙われている……

