悲劇は、すぐに起きた。
その悪夢は影のように忍び寄り、電車を包んだ。
僕の耳に、日常生活では決して聞くことはない乾いた短い音が届いたんだ。
電車がガタゴトと騒音をたてていても、奏ちゃんが森のくまさんを歌っていても、その音は全員の心に届いた。
「人殺しだぁ!!!!!
逃げろぉ!!!!!」
前の方の車両から叫び声が聞こえてくる。
間違いない…
殺戮ロボットだ…
どうやって追い付いたかは知らないけど、きやがった…
僕は、理沙ちゃんと奏ちゃんを見た。
二人とも恐怖で表情は強ばり、拳を握り締めている。
「と、とにかく。
岡山駅に着いたら、ホームから早く逃げるんだ。
もしはぐれたら、県庁で合流することにする。」
僕は荒い息を無理矢理整えながら二人に合流場所を伝えた。
最悪僕が盾になってでも二人は逃がさないと…
僕は気持ちを固め、車両の入り口を見つめた。
開くな、開くなと、心のなかで祈りながら…
《次は岡山、岡山です。
お出口は右側です。》
さて…
鬼ごっこの始まりだ!!

