「中には間違いなく何かがいる。
さっき、盗聴のスキルを発動させてみたんだ。
かなり荒い呼吸を聞き取れた。
俺が聞きたかったのは、中の敵は罠を張っているのかと言うことだ。」
そうか!
僕は、相澤隊長が耳に手を当てていたことを思い出した。あれは盗聴のスキルを発動する予備動作だったんだ…
どれだけ先を見越しているんだろ…
「棺ごと壊そうとしてみたんだけど…
バリアか何かがあって無理なんのよ…
実際に歩いていってのこのこ罠にかかってあげるのもしゃくだし…
ふぅ…
八方塞がりっていうやつだよ…」
永瀬さんは、ふぅと、ため息を吐いた。
誰かが犠牲にならないと、ボスと戦うことさえ許されないのか…
普通に考えたら、一番役に立たない僕が生け贄になるべきだけど…
そんなの…
僕は下を向いてしまった。
みんなの役に立ちたくて…
でも、そのために犠牲になる覚悟はなくて…
何を守りたいのか自分でもよく分からないのに、何かを守りたくて…
結局、失ってばかりで…
いっそここで………
僕は、ゆっくりと顔を上げた。

