「おい俊!

見ろよこれ!」

僕がヘルプを読み終わる頃、水城が理沙ちゃんのGGMを指差し、呼んだ


「この辺りには街なんてないみたいです…

唯一あるのは、あの城の向こう側

あの城を越えていくしか…」


理沙ちゃんは遥か彼方に見える巨大な城を見据えた

第一の難関か…

魔王の城って言うんだから、魔王がいるんだろうな…


魔王とかの情報はゼロ…

分かるのは、今の僕らじゃ勝てない可能性のほうが大きいって事



今すべきはレベル上げだと思う


「早く行くよ★

みんな私についてこ〜い★」


え!??



僕の目の端に、すでに走りだしている奏ちゃんが映った


また何も考えずに行動に移ってるし!!!


「待ってよ奏ちゃん!!


今のままじゃ…」


「木原先輩…


言って聞く人じゃないですよ…

お兄ちゃんも行っちゃったし…

城に行くまでにレベル上げするしかありませんね…」

理沙ちゃんの言うように水城はもう奏ちゃんと並んでいた

僕はこの先こんなでたらめで本当に大丈夫かと不安になりながらため息を吐いた