読んでから聞いてみると、黎緒先輩が補足する。
「紅珠沙はその赤い華の刻印を持った人、だね」
赤い……刻印。
紅珠沙(コウジュシャ)。
「オレらが持ってる黒い蓮の代わりに曼珠沙華ってのを刻んだヤツがいるって話か」
隣からディスプレイを覗き込んで奏斗が言う。
「動き出すって、どういう意味でしょうか」
牡丹は首を傾げて黎緒先輩に視線を送っていた。
「わかりにくい文章で書かれてるよね。
ということは、あまり他人には知らせたくない話なんじゃないかな」
牡丹の質問の答えにはなってないけど、黎緒先輩の推測も一理ある。
わざわざ倶楽部のホームページをみつけてメールしてくるヤツだ。
ましてや、寿羅を除いたメンバーが黒蓮華だと知っている人はこの学校にはいないはず。
そんな怪しいグループだと知られたら、退学になってもおかしくないからね。
いるとすれば、同じく刻印を持つ人だけ。
だから、メールの送り主は必然的に限られてくるわけで。
「黒い華ってオレらのこと示してんだろー?」
「私たち、刻印は持っていますが不良さんとのケンカに顔を出したことないですよね?」
「どこから情報を手に入れたんだろうね、この送信者。
それとも、元々知ってたのかな」


