想い人は、あたしじゃなくて牡丹なんだから。
きっと告白して振られて可哀想な人になるんだろう。
寿羅……ドンマイ。
「てめーは心痛めたみてーな面でこっち見んな」
「寿羅、心配いらないよ。
女なら他にもいっぱいいるから」
「意味わかんねーよ。
つか、どさくさに紛れて触んな」
嫌がって遠ざかる相手に楽しくなって、さらに手を伸ばす。
あたしに触られることの何が嫌なのか、まったく理解できない。
ちっとは光栄に思え。
「あーっ、ゆゆに近づいた。
もういい?殺しちゃうけど」
「俺じゃねー、こいつから近づいて来たんだろ」
「あたし!?」
間違ってはないけど、罪をそうやって誰かになすりつけるのはヒドいと思います。
心で訴えつつ、視線を風音へと変更。
目が合うと、こちらに笑顔を残してから無表情で寿羅に向き合った。
「……もうどっちでもいい、殺す」
あははは……風音はただ殺す理由が欲しいだけなのでは?
「ふざけんじゃねー!!」
これまた最大限な寿羅の叫び声が教室中、ひょっとしたら学校中に響き渡る。
うるさいって苦情きたら、どうしようか。


