ふざけてるつもりも、ないんだけどな。
本当のことだし、ねぇ?
怒りがそろそろ爆発しそうな寿羅に愛想笑いを送る。
それ以外に、対応が思いつかない。
「寿羅とか言ったよね、おまえ。
ゆゆに近づいたら殺すからよろしくね」
すると、サッと真横から目の前に伸びてきた手。
うわ、出たよ風音……じゃなくて、クロネか今は。
「誰がこんなヤツ相手にすんだよ」
おい、その言い方は本人がいるのに失礼じゃないか?
いくら黎緒先輩の言うように、女が苦手だったとしても失礼極まりない。
睨みつけていると、あたしより先に風音が口を開いた。
「ゆゆは可愛くて綺麗で、たまに怒るけど本当は優しくて、すごく人気があるからボクが見張ってないと誘拐されちゃうくらいに魅力的で、みんなをまとめるリーダー的存在で、だからボクはそんなゆゆが誰よりも世界よりも大好───」
「お褒めの言葉ありがとう。
でももういい、黙れ、口を閉ざせ」
まだまだ続きそうで恐ろしい勢いだ。
褒め称えてくれるのは、ありがたいんだけど。
「俺は興味ねーから」
「牡丹にしか」
「だから、ちげーっつーの!」
いくら風音が熱心に語ったところで、こいつの心情は変えられない。


