たぶん流れ的に若い2人──木仲さんと直樹くんは2人きりにしてあげるのがベスト。
なんか、もう運命の赤い糸が結ばれるの目前みたいだし。
だからといって、まさかのここで帰宅宣言!?
せめて部室に戻ってからバイバイできないのかな。
「裏切り者でもいいし。
そんじゃなー」
「ちょっ、待て」
頭に向かって伸ばした手は、惜しくも宙を掴む。
くそっ、あと少しで髪に届いたのに。
「もういいし!」
最後に叫ぶように文句を言い放って、他のみんなへ振り返る。
「…仕方ない、今日は解散にしよう」
順番に全員と目を合わせてから、肩を落として苦笑する。
まったく、自由人な人間には困っちゃうよね。
「なら私、荷物を取りに部室に戻りますね。
木仲さん、また後日」
しなやかにお辞儀をして、この場を去ろうとする。
「待って牡丹、あたしも戻る。
あ、木仲さん、またねっ」
継いで追いかけるように、あたしは木仲さんに手を振って牡丹へと足を進めた。
「ゆゆ待ってぇ、ボクもー!」
あれ、余計なのまでついてきたみたい。


