とにかくもう、意味がわからなくて目が回りそう。
さらに錯乱状態を悪化させたのは、予想外にも直樹くんで。
「花梨につきまとってたの、先輩っすよね」
視線の先には奏斗の姿。
え?どういうことよ?
なんで奏斗の名前が出てくんの?
「今後一切、花梨には近づかないでください」
しかも、なんだ?
直樹くん、カッコイイこと言ってるけど?
「わーってるって。
もう花梨ちゃんとは話さねーよ」
対して、奏斗は髪をいじりながら呆れ気味な口調で答える。
その態度、絶対わかってないでしょ。
「奏斗さん、木仲さんの相談に乗っていただけみたいですよ」
内心疑いの目を向けていると、思いがけなく補足が入った。
「どういうこと?」
でも補足の意味さえ理解できずに、牡丹に解説の助けを求める。
「同じ部活の先輩である奏斗さんと木仲さんが話している場面に遭遇した直樹くんが、嫉妬を覚え木仲さんを意識し始めて2人はめでたく両想いという、ちょっと無理がありそうな梨城先輩の作戦が成功したということです」
うっわー‥長ったらしい説明だな、そりゃ。
うーん、まだ理解不能な部分多々あるんだけど。
要するに、黎緒先輩の作戦が成功したんだよね?


