えーっと……その男の子はどちら様?
見たところ、背が高いほうで可愛いよりはカッコイイ系。
おそらく後輩。
「道草くってんなよ、これだから意味わかんない先輩からまとわりつかれるんだ」
あたしは頭にハテナを浮かべ、男の子の話にとりあえず耳を傾けることに。
ちらっと見ると、黎緒先輩は面白そうに薄ら笑いを浮かべていた。
「だから違うの、つきまとわれてなんかないの」
「言い訳ばっか」
それから木仲さんの腕を解くと、そのまま立ち去ろうとする。
「待って、直樹」
さり気に木仲さんが発した言葉。
あれ?
……なんか、引っかかる単語が絶対的に入ってるような。
いやいやいや、まさか。
男の子を追いかけて行ってしまう木仲さんに視線を送りつつ、放心状態。
「行かなくていいの?
さっきの男の子、直樹くんなんじゃない?」
あぁ、やっぱり?
黎緒先輩もそう思います?


