つか、いくらだよ、それ。
「違う系?
ってことは、ランクアップして中学生?」
だから、いくらだよ。
抽象的な表現使うなって。
「あ、ちなみに中学生の月のお小遣いは100円だぜ」
「100円?」
中学生で100円って、少なくない?
せめて1つ、0の数追加すべきじゃない?
それとも、あたしの金銭感覚がおかしいのかな?
「じゃあ、高校生の月のお小遣いは?」
「1000円」
ねぇ、この金額って実体験を元に…とかじゃないよね?
ね、まさかね。
「でさぁゆゆ、話変わるんだけど」
「なに?」
ふと、奏斗が立ち止まって直視してくる。
さっきまでの笑顔はどこにもない。
なんだろう、この変に緊迫した空気。
奏斗の真顔なんて、かなり希少価値が高いと思う。
「面倒だから直球に聞くけど……亜蓮先輩のこと、まだ好き?」
「えっ……、いきなり何言ってんの」
突然出された名前に、無意識に涸れた声が零れ落ちた。
あたしが、亜蓮をまだ好き?
「そんなわけないじゃん」


