恋愛倶楽部 -love-




言い直せば、相手が奏斗じゃなくても遠慮したいところだ。


メンバー内だったなら、風音は後々めんどくさそうだし。

黎緒先輩は、妙な緊張感があるし。

牡丹は、ズレた話に巻き込まれそうだし。



黒蓮華って、結局普通って呼べるタイプの人間いないよね、たぶん。




「ひっでぇーの!」

「ふん、それがあたしだからね」


残念だけど、あたしに優しさを求めたら終わりだよ。

それこそ世界のね。



「そんじゃ、代わりに帰る途中のクレープ屋でおごれ」

「は?誰に命令してんの」


今金欠なのに、こいつは全財産を奪う気か。

明日から生活していけないよ。


楽しみの1つである下校時の寄り道ができないじゃない。



「ゆゆに決まってるじゃーん」


うわ、マジで全財産持っていく気だよ。


「却下」

「……あのさぁ、ゆゆ?
一応聞くけどさ、持ち金いくら?」


い.言えるか、んなもん。


「ひょっとして、小学生の月のお小遣いくらいとか?」

「誰が小学生だ、誰が」