「蘭さん、牡丹さん、今日はありがとうございました」
「では、私たちはこちらなので」
「はいよー、また明日ね」
時間も時間だったため、とりあえず解散。
昇降口の前で2人と手を振り合った。
木仲さんの帰路は牡丹と同じだったらしい。
そこで、迎えが来ているという牡丹が木仲さんを送っていくことに。
夜道の1人歩きは危ないもんね。
もちろん提案はあたしにも出されたが、丁寧にお断り。
まず、自宅が逆方向だし。
あたしなら、ある程度ケンカできるし1人でも安全なはず。
少なくとも木仲さんよりは。
帰りに寄り道でもしようかな。
少しくらいなら、時間に余裕もあるしね。
自由時間の使い方を考えながら、気分はルンルン。
そう、ルンルンで校門を出たってゆうのに。
「おっ、ゆゆ遅かったじゃん」
は?
今、聞き慣れた声が真横から……
「ちょっ、待てって」
いやいやいや、気のせいだよね?
とっさに歩くスピードを速める。
「ゆゆ!」
あぁ、やっぱ気のせいじゃなかったか。
見事に片腕を引っ張られ、さすがに無視できない状況。


