珍しく真面目な言葉に、思わず牡丹を2度見する。
失礼だけど、普段はポワポワ〜としてる人にも、真面目な顔ってあるもんなんだ。
改めて実感。
んーと、それで、どうすればいいのかな?
一緒に帰るくらいなら、そのナオキくんとやらには彼女がいるとも考えられるし。
どうする、木仲さん!?
「やっぱり、私なんかが好きなんて思っちゃダメですよね」
俯きがちに、床へと静かに落ちた声。
伏せた長いまつげが震えて見えた。
「なーに弱気になってんの!
まだまだ、これからじゃん」
そんな声に反抗して、木仲さんの両肩をガシッと掴む。
間近に映る相手の瞳は、かすかに揺れ動いて。
「でも……自信がないんです」
時折覗かせる不安の色。
「自信なんか、なくたっていいんだよ。
大事なのは好きかどうか、でしょ?」
不安の色に染まったのなら、塗り重ねればいいだけのこと。
「あたしがサポートしちゃうからさ、大船に乗ったつもりでいなよ」


