「良かった、木仲さんいた!
あたしにも話聞かせて?」
前のめりになって迫ると、それと比例して相手が後退る。
あれ?おかしいな。
なんで後退りするんだろ。
「ゆずゆちゃん、怖がらせちゃいけませんよ」
注意を受けて牡丹に視線を向けると、困ったような微笑みが。
「私たちみたいに木仲さんは慣れてないんですよ。
ゆずゆちゃんてば、勢い余って距離を縮めすぎるんだもの」
あぁ…距離。
本当だ、気づけばかなり近距離に。
「ご.ごめん、ちょっと近すぎちゃったみたい」
頬を掻いて誤魔化し笑いをしつつ、詰まりすぎた距離を広げる。
あたしの悪いクセだ。
話の最中に前のめりになること。
話すこととか、問うことに対して夢中になっちゃうんだよね、つい。
「いえ、大丈夫です…」
まぁ、大丈夫って言ってくれてるし、いっかな。
「とりあえず場所を部室に戻そうか。
で、木仲さんはあたしたちに何してほしい?
心配事とかある?」
2人を促して音楽室をあとに、部室に引き返してから再度話を始めた。


