そこまで被害妄想してるわけでもないんだけどさ。
風音みたいに思い込みも激しくないはずだし。
「………あれ?
ところで牡丹、みんなは?」
うるさいくらい賑やかだった教室が嘘みたいだ。
綺麗に静寂に包まれて、騒音の原因となる誰かさんたちの姿はない。
「今日は遅いから続きは明日、って梨城先輩が」
確かに、それっぽいセリフをついさっき耳にしたような。
「みんな帰ってしまいましたよ?」
ちょっ、待て、みんな帰んの早すぎじゃない!?
相談者は?
あたし、木仲さんから全然事情を聞いてないよ。
聞ける状況でもなかったし。
「蘭さん、あの……」
そんな風に木仲さんを思い出していると
「ん?木仲さん?」
どうやら、まだ帰らずに教室の隅にいたらしい木仲さんが近寄って来た。
男たちが問題児ばっかだから、傍観者として隅に逃げていたのかしら?


