言ってやりたい文句は、たっぷりあるんだから。
相手が相手だけに、言えないだけで……。
少しふてくされて視線を送ると、ちらっとこっちを見て笑顔。
「それじゃあ本題に戻ろうか」
すんなり視線をスルーした上、話を変えられた。
あたしが黎緒先輩を本気まで好きにならなかった───いや、なれなかった理由。
それはここにある。
「…いつか絶対、黎緒先輩の息の根止める」
わかりやすいほど黒いオーラを表に出す風音と同じくらい、腹黒いこと。
「ってことで。
蘭さん、とりあえず今日はもう遅いし明日にしようか」
みんなの前では、優しい先輩を演じていて。
なのに、2人きりになると優しさを飛ばして意地悪になること。
要するに、二重人格で腹黒い。
そこに美形という最強の武器が組み合わさると、反抗できなくなっちゃうわけ。
果たして、悪魔の黎緒先輩を知っている人はこの中にいるのか。
みんなの対応見てると、知らなそうだよなぁ。


