恋愛倶楽部 -love-




感づかれたっていっても、何を?って話なんだけどね。


さすがに、あの天然の牡丹だって今の状況を把握すれば誤解するのも当然。

もし誤解されても、状況が状況だけに仕方ない。




だいたい未だに腕を掴んだまま、何食わぬ顔で風音に笑顔を向けてる黎緒先輩が問題なんだよ。

あの愛想笑い、もはや尊敬。



あとが怖いから本人には言えないんだけど。




「梨城先輩からピアノを教えていただいてたんですか?」


ほんの少し首を傾げて、数回瞬きしながらの質問。


さっきの社交ダンス的に、もっとヒドいボケが来るかと思ったが。



「う.うん、そうそう、そんな感じ」

牡丹が天然の反面、真面目であることを忘れてた。

おかげで助かったし、とりあえず安堵だ。



「言い訳がみつかって良かったね」

ぼそっと耳元で告げられてから、ようやく離れてく気配。


良かったね、も何も、あたしを困らせた張本人はあなたでしょう、黎緒先輩。