わいてくる恐怖心から、先輩を押し返して離れようとした時、
「見ててムカつくんだよ、おまえ」
そのまま耳元で囁かれた低音に体中がゾクッとした。
絶対、今鳥肌立ったって。
………こ.怖い。
反抗したくても、声が出なくて。
いくら以前に先輩が好きだったとしても、さすがにコレは……。
「何して遊ぼっか?
そんな泣きそうな顔して、慰めてほしい?
それとも、もっといじめてって誘ってる?」
あたしの頬を、先輩の指が優しく伝う。
後退りするにも、座ってるから上手くできないし。
でも、その頬に触れる手を振り払えるほど勇者じゃない。
柄にもなく、弱気になっちゃって。
そんな時、突然バタバタと忙しい足音が近づいてきた。
「ゆゆーっ!」
うげっ、最悪だ。
この声、風音。


