それから、しっかりあたしを見て続ける。
「さっき謝った分、言うこと聞いて」
謝った分って、ちゃんと覚えてるんだ。
あたし、無意識だから忘れちゃうのに。
というか、罰金って言ってたよね?
罰金ってお金のことじゃないっけ?
なんだかよくわからなくなってきたけど、とりあえず話を聞こうと耳を傾けて。
「いろいろ考えたけど、俺は愛他主義にはなれないし束縛されるのも嫌い」
言い切って立ち上がった凪兎は、片手をあたしの前に差し出す。
ほんのり頬が赤い気がするのは、街灯のせいじゃないよね?
「それでも、あんたが後悔しないなら……」
一瞬、時が止まった。
そんな感覚がした。
「俺と付き合って」
………え?
呼吸も音も、見えている色も。
全部が、存在を眩ませて。
「今、なんて言ったの?」
これこそ、聞き返さずにはいられない。
「また言わせるとか、あんた鬼だな」
「だって、今、信じられないことが凪兎の声で」
間違ってないよね?
「俺以外、ここに誰がいんの?」
呆れて言われて、苦笑いを返す。


