夜風は、優しくあたしたちを包み込む。
でも、さ。
「凪兎、大丈夫?
手……震えてるよ?」
触れられたほっぺたから震えてるのがわかったから、なんだか心配になって。
口に出せば、その場にしゃがみ込んでしまった。
言わないほうが、良かったのかな。
「ちょっと黙ってろよ」
「はい、ごめんなさい」
言わないほうが、良かったみたい。
どこか気まずさを残して、あたしもその場にしゃがみ込む。
「かっこわりー俺」
両手で顔を隠したまま俯く凪兎。
肩を落としてる相手の発言を、単純に否定したくて。
「そんなことないよ。
凪兎はいっつもかっこいいよ」
言った後で、気がついた。
一気に熱を帯びる全身。
絶対顔赤いよ、どうしよう。
気持ち伝えてるんだから、今さらどうってことないはずなんだけど。
結局のところ、照れくさくて。
顔をあげて目を合わせずに、今度は凪兎が口を開いた。
「俺だって緊張してんだよ。
無意識にとんでもないこと言い出すし、顔赤くしながら涙目で見てくるし、服掴むし」


