「また、泣かせちゃったな…」
ため息混じりな声は、すぐ近くから。
しばらくして、落ち着いたあたしは少しだけ距離をとった。
「凪兎がいけないんだよ。
真実に聞こえる冗談なんか言うから」
もちろん、機嫌が悪くなったのは言うまでもない。
「嘘つき」
「ま、確かにそうだね。
ずっと騙しててごめん」
未だに滲んだ視界には、落ち込んだ様子の凪兎。
そういうの、ズルいよね。
全部あたしのせいかもって、罪悪感が生まれちゃうじゃない。
「冗談でも、嫌いって言ってほしくなかった」
だから、文句はあくまでも小さい声でぼそっと伝える。
なのにそれを受け取った凪兎は、なぜか悪戯な笑みを浮かべて。
「冗談で言われて泣いちゃうくらい、俺のことが好きなんだ?」
「なっ………」
コツンと、ぶつかった額。
まただ、またドキドキしてる。
「……好きでいちゃ悪い?」
ドキドキに負けないように言い返せば、一瞬だけ逸らされた視線。
「凪兎、本当はあたしのことどう思ってるの?」
知りたいから、再度問い直す。
ただ、素直な気持ちを教えてほしいだけ。
「ゆずゆは?
俺のこと、どう思ってんの?」
「あたしは、さっき言ったでしょ」
ついでに、独り言ですでに聞かれちゃってるし。


