「やっぱり、あんたって面白いな」
ほら、失礼極まりない。
面白いって、それ褒めてんの?
生まれ出した不満。
あたしって、ちゃんと女の子だって思われてんのかな。
斜め前を歩く背中に、また新しく質問をぶつける。
「ねぇ、凪兎はあたしのこと、どう思ってるの?」
ちょっとふてくされて飛ばした声に、相手は突然足を止めた。
あたしのほうを見る表情は、さっきとは違っていて。
「その質問、本気で答えていいの?」
一変した空気。
「え?」
近寄る凪兎に、早まる鼓動。
期待してなかったと言えば嘘になる。
だから、
「俺、あんたのこと嫌いだよ」
言われた瞬間、頭が真っ白になっちゃって。
意味を理解した途端、俯いて後退りながら涙が溢れた。
「凪兎……っ、あたしのこと」
「あっ、ちょっ、ゆずゆ?」
嫌い……なの?
伸びてくる凪兎の手から、逃げるようにさらに後退。
「ごめんね、嫌われてるって……っ気づかなかった」
「いや、その、」
「……来ないで。
嫌いならもういい!
あたしの前から消えてよ!」


