え?逃げて来たって?
うっ……この展開、もしかして。
もしかしなくても。
うん、ダメだ。
まず先輩と2人きりなのがマズいんだ。
「うわっ」
片腕を引っ張られて、無理矢理イスに座らされる。
背後から回った黎緒先輩の右手が、あたしの顎を捉え顔を上げさせた。
先輩、口と正反対に目が笑ってませんよ?
「弱いくせに、強いフリして可哀想だね」
近距離で動く唇は冷たく響く音吐を奏でて。
「まだ引きずってるくせに」
あの、息が、かかってるんですけど。
体温上昇。
なんとかしたいのに、体が思うように動かない。
「そういう態度、やめてくれないかな」
今度は視界が明るくなった。
先輩が横に逸れたから。
「っ!」
でも、次の瞬間耳元にわざと息を吹きかけられて、ますます顔に感じる熱。
ヤバい、死ぬ。
てゆーか、殺される。


