つい、声を荒げて聞き返しちゃったじゃん。
いや、薄々は気づいてたんだよ。
パソコンのメールが黎緒先輩から届いてたってわかった時には、ちょこーっとだけは。
そりゃ、黎緒先輩があたしたちを裏切るなんて信じたくなかったし信じなかったけどさ!
「そうそう、騙されてくれてありがとう。
おかげで怪しまれずに、紅珠沙の行動を把握できたよ」
まぁ、それは、ね。
遅すぎてみんなを助けられなかったけど。
最初から、紅珠沙の行動を探るために………
「ところで蘭さん、メッセージ受け取ってくれた?
大切な人って」
……パソコンのパスワード。
大切な、人。
まだまだ怒りたかったことは、たくさんあるのに上手く話題を逸らされて。
気恥ずかしくなって、喋れなくなってしまう。
「あれは……あたしがパスワードを当てやすいように、“わざと”ですよね?」
まさか本気で大切とか、うん、あるわけない。
つくり笑いを向けると、黎緒先輩も愛想笑いをくれる。
「確かに“わざと”だね。
気づいてもらえるように」
「ですよね、そんな深い意味はな───っ」
言いかけて、一瞬ドキッと胸が騒ぐ。
ちゅっと音を立てて額に落とされたキス。
へ?今の…は……いったい…


