言い返せない自分に嫌気がさす。
怒りでうっすら目を開けた時、どこからか聞こえたのは鈴のような音。
え?
これって、自転車のベル?
「ボクのゆゆに触るなーっ!!」
そう脳が認識した瞬間、突如現れた自転車がそのままケンに突っ込んだ。
同時に、自転車も転倒。
「えっ!?風音、何やって…」
「うわぁぁあああ、痛いよー」
何度も瞬きを繰り返すが、やはりそこにいるのは風音に間違いない。
あたしを追ってきたの?
自転車で?
疑問は多々浮かぶものの、今は後回し。
運良く気絶してくれたケンに感謝して、風音の元へ。
「ゆゆ、早く闇紫苑の人たち連れ出して逃げよう」
泣いてたかと思えば、あたしの肩を掴んではっきりと言う。
何なのよ、そのギャップは。
「……あれ、ゆゆ?
震えてるの?寒い?」
いつも通りの風音に、ほっとしたら泣きそうになった。
「怖かったの?」
質問に、ただ首を上下する。
「そっかそっかぁ、よしよし。
もう怖くないよ?
ぎゅーってしてあげるね」
あたしより少し背の高い風音に抱きしめられ、今回ばかりは抵抗せずそのまま。


