「みんなが行くならあたしも───!」
「行かないで」
えぇぇぇぇえええ。
やめてくれ。
風音、なんでそうなる!?
ドア目指して歩き出そうとした瞬間、風音に腕を掴まれ動けなくなった。
「黎緒…先輩…っ」
未だ開いたドアから見える黎緒先輩に向かって自由な片手を伸ばすものの。
「あとで遊んであげるよ」
妖艶な笑みを浮かべて、静かにドアを閉められる。
あぁ、なんてこと。
前から気づいてたけど、やっぱり黎緒先輩は優しくない。
それに“あとで”ってことは、ひょっとすると……なんか大変なことになってきた。
「ゆゆ、亜蓮先輩とチューしたなら、ボクともして?」
いやいやいや、それとこれとは話が別だよ。
「さっき間接キスしたんだから、それで勘弁してよ」
「直接じゃなきゃ、ヤダぁー」
あたしは直接のほうが嫌なんだけど。
「1回だけだよ?
ね、いいでしょ?」
だから、その1回が嫌なんだってば。


