遮られて、最後まで言えなかった言葉。
可能性があるのなら、目の前の事実も催眠であってほしかった。
偽り……、そっか。
今までの、あたしの知ってる優しさは全部つくりもの。
わずかな希望も、あっけないほどに脆く壊される。
最初から、そうだったの?
最初から、仲間なんて呼べる相手じゃなかった?
もしそうだったんだとしても、簡単に信じることなんてできない。
あたしの知ってる黎緒先輩は、仲間を裏切るような人だとは思えないもん。
自分勝手かもしれないけど、信じてるから。
未だぼんやりした頭で、一生懸命落ち着いて考えようと努力する。
そりゃ、怖くて。
抵抗せずにいるのは少し不安。
でも、黎緒先輩が言うように、仲間だと思うなら逃げちゃダメな気がする。
「あたし、戻ってきてくれるまで待ってます」
すぐじゃなくたって平気だよ?
それくらいの覚悟、できてる。
「戻ってきてくれる、なんて考えてるんだ?」
「だって仲間ですよ、あたしたち」
口角をあげて、目を逸らさずにしっかり合わせる。
やっぱり怖くないなんて言ったら嘘だけど、大丈夫。
「後悔しても知らないよ」
耳元で囁かれ、身震いしたのは一瞬。
「心配無用です」
逃げたいけど、もう逃げるのはやめにした。


