あたしね、気づいたの。
たった今、あなたの存在の大きさに。
今までの、あのすっきりしない感情はこれだったんだ。
『今、行くから』
記憶は蘇るのに、なぜか悲しい。
あたしは1度も、キミの名前を呼べていない。
『今日で終わり。
あんたには、もう俺は必要ない』
それは、虚ろの世界。
夢想は終わりかけている。
───キミが、またあたしを助けてくれたから。
次に目を開けた時には、もう電話は切れていた。
ゆっくり右手を下ろして、両手でケータイを握りしめる。
今日で、終わり……?
知らない間に、頬を伝ったのは涙。
あたしは、夢現な中をさ迷っていたんだ。
意識がはっきりしないうちに、この部屋に連れてこられた。
ここは、どこ?
紅珠沙の、居場所?
「ケータイ握りしめながら泣いたりして、どうかしたの蘭さん」
光を取り戻した世界で、あたしが閉じ込められている小部屋の扉が開く。
入ってきたのは
「黎緒…先輩……」
あたしの、仲間。
なんで、こんなとこにいるの?


