強い風が、窓から入り込んでカーテンを揺らす。
窓から見える風景は、空。
あたしの好きな、空。
今気づいたけど、この部屋は2階みたい。
「深い意味はないの、たぶん。
ケータイの履歴から適当にかけただけで───」
あれ?
ケータイの履歴、って?
『……そっか』
静かな声が耳を突き抜ける。
あたしは、何かを忘れている。
忘れてしまったんじゃない。
忘れたくないのに、忘れるよう仕向けられた。
『でさ、思い出せそう?』
「なにを?」
『大事な仲間が、自分をどれだけ大切にしてくれているか』
「大事な、仲間?」
全身に響いて、頭の中をぐちゃぐちゃにしていく。
おかしいな。
だって、あたしには大事な仲間なんて
「そんな人、いないよ」
いるわけないよ。
「みんな、あたしを捨てたんだよ。
あたしが弱虫だから、ワガママだから」
それが当たり前で、きっとそれが正解。
最初から、みんなはあたしを大切になんか………
『いつ、誰がそんなこと言った?』


