遠ざかっていく足音。
寿羅が離れていくのがわかった。
独りになりたくないと願った結果がこれだ。
独占欲に溺れて、大切なところを見逃して。
大切なものを失っていく。
今まで甘えすぎたから、きっとバチが当たったのね。
神様は、すごく意地悪だから。
ボロボロになって、夕焼け空を見上げる。
不思議と心が落ち着いた。
あたしは空が好き。
理由なんてないけど、なぜか嫌いになれない。
この瞬間、あたしみたいに空を見上げている人は世界中にどれくらいいるんだろう。
学校に居場所を失って、校門を出た数分後。
一瞬目を疑って、恐る恐る歩を進める。
視界に飛び込んできたのは、例の赤い車だ。
その車のそばで、髪をツンツンに立たせたヤツが電話をしている。
紅珠沙の1人──ケン。
どうして、こんなところに?
いや、春海がいたことを考えれば、いてもおかしいことじゃない。
何を話してるのか、どうにかして聞けないかな。
背中を向けて喋っている相手に、そっと忍び足で接近。
すかさず、近くにあった電柱の陰に身を潜めた。
「あぁ、んじゃまぁ、のんびりいこうぜ。
紫の場所は、もうわかってんだ」


